なつかしいヤエスのFL-101の修理の依頼がありました
川花書房のホームページから修理の依頼がありました。
実はホームページの冒頭に
「たくさんのお問合せ、ご依頼ありがとうございます。
おかげさまで現在2.3か月待ちの状態となってしまいました。
しばらくの間修理の受付を終了させていただきます。」
と掲げております。
にもかかわらず修理の依頼はけっこうあります。
私の知る限りでは修理専門の業者さんは減ったようには思えません。
推測の域を出ませんが、気軽に修理の依頼をしていた近所のOMさん達が老齢化したことの影響が大きいように感じております。
現に私の知り合いのほぼ同じ年齢の近くのOMさんも引退されたと聞いております。
腰痛が一向に回復せず、居間が買い取りしたリニアアンプ等の大型無線機類で占拠されており家人から居間からの撤去をきつく言い渡されております。
それでも腰痛がこの状態ではとても重たいリニアアンプ等を、2階まで担ぎ上げて点検、撮影をこなして商品化をする事などとても無理です。
さらに修理の依頼を受けた無線機も何とかしなくてはなりません。
とても新規に修理の受付などできる状態ではありません。
今回の依頼主は以前からいろいろな事で問い合わせをいただいていた方で、断るに断り切れませんでした。
実はグーグルアドワーズの広告を出してしまいました
クーポンにつられてグーグルアドワーズの広告を出してしまいました。
グーグルアドワーズに三度目の挑戦-3度目の正直はあるのか ?
もちろん目的は修理の依頼ではなく、買い取りの依頼です。
でも意に反して電話による問い合わせも、ホームページからの問い合わせも修理の依頼がほとんどです。
肝心の買取の依頼は皆無に近い状況でした。
過去にも何度も似たような失敗はやってきております。
つくづく懲りない性格は一朝一夕には直るものではありません。
今回修理依頼のヤエスのFL-101
言うまでもなくFR-101とセットのセパレートタイプの送信機で1974年に発売になりました。
入門用のFR-50B/FL-50BやFR-100/FL100についでのヤエスのセパレートタイプの送信機です。
対するトリオには599ラインがありました。
その辺のことについては下記記事に記載してあります。
ヤエスのFR-50B,FL-50BラインはAM~SSBへの過渡期のトランシーバー
久し振りの古い無線機の宅配買取 ! FR-101,FL-101
当時AMやFMではトリオが先行しておりましたが、SSBに関してはヤエスの方が力を入れていました。
昭和35年(1960年)からSSB用のジェネレーターを発売していたヤエスは昭和37年(1962年)にはSSB用の3.5~28MHz帯の送信機FL-20を発売しております。
トリオは昭和40年(1965年)のTX-388/JR300Sが最初のSSB機です。
今回修理依頼のヤエスのFL-101の依頼内容
40年以上経った古い無線機なので全体的な調整ということでした。
前記のような理由でお預かりしたまま1ヶ月ほどしてやっと開梱する事ができました。
ACC用のプラグが同梱されておりません。
同じヤエスのFT-101等も同じですが、このプラグがないと終段菅のヒーターが点灯しません。
FT-101に付いていたACCブログを持ってきてスィッチオン。
動作はしますが、各種のスィッチの接触不良、およびボリュームのガリ。
このFL-101のお歳を考えるとやむを得ないでしょう。
パワーは7MHzは出ますが他のバンドは出ません。
以上が依頼内容と初期症状です。
修理に着手
とりあえず簡易清掃をして目視点検した限りでは異常は見当たりません。
この種のロータリースィッチはもはや入手困難なので、サンハヤトの接点洗浄剤を吹き付けてクルクルと回転させます。
ボリュームも隙間から接点洗浄剤を吹き付けておきます。
サービスマニュアルに基づいて各種の調整を行いました。
英文のサービスマニュアルはRadio Manual.euにあります。
英文なのが難点ですが。
和文のマニュアルは著作権の関係で難しいのかな !
和文のサービスマニュアルはたまにヤフオクに出品されても高騰してしまいます。
TS-900のサービスマニュアルなど本体よりも高くなった時もありました。
各種の調整の結果3.5MHzと7MHz帯は100w弱までは何とか出ますが、ハイバンドはサッパリです。
真空管を疑い手持ちのグリーベルトの6JS6(中古)と交換してみました。
これによって3.5~21MHz帯までは100Wオーバーとなりました。
光線の関係で見にくい画像になっておりますが、250Wレンジです。
28MHz帯は少し劣ります。
この辺で勘弁してもらう事として中和を取り直して、キャリァーバランスの調整をして終了とします。
ちなみにヤエスの最新鋭機はこれです。