揃えておきたい無線機の修理に必要な測定器と工具類

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TS-950

最近無線機の買い取りで入荷してくる無線機は古いモノがほとんどです。
それに電源コードが付いてないものが多くて困ります。
古い無線機はメーカーや機種によって、いろいろなタイプのコネクターが使用されています。
現在ではすでに製造中止になり入手の困難なモノも数多くあります。

歳とともに視力は衰えるし根気もなくなってきており、修理を待っている無線機はたくさんありますが、ヤフオクでもこのところ古い無線機は全然人気がなく、修理をする気力もいなえてしまいます。
裸になったままの無線機も何台かありますが、そのうちはずしたビスが行方不明に。
先日もヤフオクでビス類を何種類か落札しました。

気を取り直して少しづつでも片付けて行かなくては、狭い部屋が足の踏み場もなくなってしまいます。

その際に使用している測定器と工具類について紹介しておきます。
工具類については一般的な工具が多いので、詳細については控えておきます。

テスター、デジタルマルチメーター(アドバンテストR6552T-R)

R6552T-R

据え置き型のデジタルマルチメーターも使う機会がほとんどありません。

たいていはハンディ型で間に合います。

デジタルテスターが主流になってきた昨今ですが、調整段階ではアナログテスターが便利です。
デジタルテスターでは表示がパラツキますが、アナログテスターなら連続で変化する値が視認できます。

内部抵抗DC 20KΩ/V  AC 8KΩ/V程度の物が使いやすいでしょう。
OUT端子があれば直流カットの0.1μF程度のコンデンサーが測定回路に挿入されていますので、
オシロスコープを持ち出すまでもなく出力管のプレートの音声電圧を測定したい場合などに便利です。
デジタルテスターでも使えますが、真空管式のリグにはアナログテスターの方が便利です。

オシロスコープ(テクトロニクス2467B)

私が無線機類の製作に興味を抱き始めた57年前頃にはとてもとてもアマチュアの手に入るようなものではありませんでした。

現在は安価になりましたし、中古でもオークション等でたくさん出回っております。

特にトラブル発生時に波形を観測して原因を見つけるのに役立ちます。

オシロスコープもテスター同様アナログからデジタルに変わってしまいました。

テクトロニクス2467B

テクトロニクスの2467Bはいささか古すぎますので今ならさしずめこれでしょうか !

スペアナ(アドバンテストR3361A)

 

運よく以前買い取りしたトラゼネ付きの9KHz-2.6GHzの物で、BPFやIMDの測定には重宝しています。

他にも倉庫にはマイクロウェーブに夢中になっていた時に、使っていた20GHzのTR4133Aがあります。

最近はヤフオク等でもずいぶん安くなりましたし、アマゾン等には新品の中華製の安いものもあります。

ブラウン管でないので軽くて奥行きが小さい点は狭いシャックや移動には便利です。

マイクロ波周波数カウンター(タケダ理研TR5211B)

タケダ理研TR5211B

これもマイクロウェーブにうつつを抜かしていた頃の名残でヤフオクで購入しました。

マイクロ波周波数カウンターですが、低い周波数でも問題なく使えます。

マイクロ波に熱中していた頃は24GHzまで測れましたし、オフセット機能があるので、外部ミクサーを付けて47GHzも直読できます。

基準周波数にはできるだけ正確な周波数の方がもちろん良いのですが、以前持っていたGPSを使ったTrimble ThunderBolt GPS 周波数標準器です。

かなり昔に製作したものです。

製作といっても完成品なので電源を付けケースに入れるだけでした。

ついでにアンプ付きの分配器を入れてあります。

アンテナは外壁の窓際にくっつけただけですが、時には8個共捉えてくれます。

GPS基準

Trimble ThunderBolt

SSG 標準信号発生器(HP8664A)

HP8664A

これも随分前に買い取りしたもので3GHzまでのSSGで すが重たいのが難点です。

やはり倉庫にアンリツのMG3670Bがありますが、これも重たいです。

パワーメーター(クラニシRW-155D)

クラニシRW-155D

500MHzまでの50Ω250W終端型のパワーメーターです。

リニアアンプ等の測定には同じクラニシのRW-1000Dもあります。

他にダイワのCN-720とWELZのSP-600、クラニシのRW-112LのSWR計があります。

これがあれば18~1300MHz(200W)まで間に合います。

直流安定化電源(ダイワPS-560MD,PS-300XⅡ)

ダイワPS-560MD

直流安定化電源は測定器には分類されませんが便宜上含めておきます。

直流安定化電源は3A~30A位のモノがたくさんありますが、メインで使用しているのはともにダイワのPS-560MD(MAX56A)とPS-300XⅡ(MAX32A)です。

電源内蔵の無線機を除いて昨今の無線機はほとんどが13.8V仕様です。

したがって無線機の修理にあたって直流安定化電源は必須です。

容量は100W機の場合実際に流れる電流は25A位なので30Aクラスが必要です。

200W機の場合はパワーを絞って使います。

できれば13.8V30Aくらいで他に可変電圧を出力できるものが便利です。

スィッチング電源なら小型で軽量です。

工具類

ドライバー

プラスとマイナスの両方を揃えておく必要があります。

プラスドライバーは1番と2番の2本があればほとんどのねじに対応できます。

マイナスドライバーは刃幅で表示されますので、3ミリと5.5ミリの2本が必要です。

グリップドライバーが御薦めです。

ネジの大きさに合わせて十字の大きさも違い、それに合わせて使わないとどんなにいいドライバーを使っても十字の溝を舐めてしまいますこれは基本的なのことなので、違うサイズのドライバーを使うのは論外です。

ドライバーはねじを押しながら回します。

軸がぶれないように、軸にも手を添えるのがポイントです。

固く締まったねじを緩めるときは、特に押す力を強めないとねじを傷めてしまいます。

ニッパー

配線コードや針金をきれいに切断できる工具がニッパーです。

配線を切る道具としては,ニッパーが一番多く使われますが,ふつうのニッパーでは,切れる線の太さは約2mm程度までで,しかも銅線などの柔らかいものです。

プリント基板へ抵抗やコンデンサーなどの部品を取り付け,ハンダ付け後の余ったリード線をカットするためにニッパーは必需品です。

150mmの物と125mmのマイクロニッパーを使っております。

ラジオペンチ

電気工作用に作られたプライヤーの一種で、主としてラジオの修理用に使われた事からラジオペンチと呼ばれています。

通常のペンチに比べ狭い場所での細工や切断に適しています。

先端部分は物をつかむために凸凹のスジがついており、滑りにくくなっております。

先端ほど細くなっており、太さはいろいろあります。

半田ごて

半田ごては半田に熱を加えて金属同士を接合する「はんだ付け」を行うための道具で、ヒーターの構造から「ニクロムヒーター」と「セラミックヒーター」の2種類がありますので用途に合わせて適切な半田ごてを選びます。

通常は30Wー60Wが適当ですが、コネクター等のはんだ付けにはもう少し容量の有る60Wから100W位が適当です。

私の場合は20Wから100Wまで10本ほどありますが、現在はほとんどの作業を調温のできるハッコーのFX-600一本で済ませております。

また最近の無線機にはチップ部品が多用されておりますので、15W以下の小さな半田ごても必要になってきます。

こちらはHOZANのHS-11を使っております。

11Wと小型ながら熱量もあり持ちやすくチップ部品のはんだ付けには最適です。

残念ながら生産終了となってしまいました。

同社ではH-270が後継品でしょうか?

その他修理には半田吸い取り線でも代用できますが、電動の吸い取り器があると作業が効率よく行えます。

 その他の工具類

半田こてスタンド

ワイヤーストリッパー

六角レンチ

ソケットレンチ(ナットドライバー)またはスパナ

カッターナイフ

等が必要ですがDIYショップで入手できますし、物によっては100円ショップの物でも十分に使い物になるものもあります。

無線機類の買取、修理の依頼は川花書房まで