アイコムのIC-731ってどんな無線機 ?
IC-731は1985年にアイコムから発売になったHFのトランシーバーです。
1981年に発売されたIC-7300をモデルチェンジしたもので
IC-731 トランシ-バ- 3.5-30MHz SSB/CW/AM/FM 100W 156,000
IC-731S トランシ-バ- 3.5-30MHz SSB/CW/AM/ FM 10W 138,000
現在は10W機も100W機も同じ価格設定ですが、当時は違うのが当たり前でした。
ヤエスとアイコムはSの付くのが10W機ですが、トリオ(ケンウッド)でSが付くのは100W機です。
AM/LSB/USB/CW/FM/RTTYのオールモード対応に対応しており、受信部は100KHz~30MHzをカバーしております。
送信はハムバンドのみで、それ以外は自動的に送信ができません。
今となっては比べ物になりませんが、当時としては小型で1.9~28MHzのすべてのハムバンドをカバーしております。
使用頻度の少ないツマミを収めたカンガルーポケットがユニークでした。
1stIF回路には70MHz帯のクリスタルフィルターを2エレメント使用しており、デジタルVFOながらフィーリングはアナログ感覚のタッチで、10Hzステップのチューニング。
HFトランシーバーとしては国内で最初の液晶表示パネルの採用しました。
アイコムってどんな会社
アイコムは 井上徳造氏(JA3FA)が1954年に創業した井上電機製作所が前身です。
創業当時より携帯型無線機を得意としてきました。
アマチュア無線業界には、1964年にオール・トランジスタを使用した50Mc AMトランシーバーFDAM-1を発売してからの参入です。
当時は50MHzの全盛期で、クラニシ計測器研究所、極東電子、江角電波、福山電機工業などなど中小各社が無線機を販売しておりました。
私がはじめて井上電機製作所の無線機を手にしたのは、FDAM-3Aで当時としては珍しい送受別々のVFOが新鮮でした。
ただし周波数変動(QRH)はひどくて、交信中はダイアルから手が離せませんでした。
のちにパワーが物足りなくなり、自作の真空管式のブースターを加えてローカルラグチューに、Eスポにと活躍してくれました。
以後アイコム(井上電機製作所)と言えばVHFの移動用無線機と思い込んでおりました。
そんな時1977年にHFのオールトランジスターのしかも100W機を発売したのには驚きました。
当時のHFの無線機と言えばトリオとヤエスの独壇場でした。
隙間をぬうように松下電器産業、NEC、日本無線、ユニデン等が食い込んでおりました。
かってはトリオ、ヤエスの後塵を拝し3番手でしたが、現在では最近もIC-9700を発売するなど意欲的でアマチュア無線業界のトップランナーです。
IC-731の仕様
定格
一般仕様
受信 0.1~30MHz
送信 1.9075~29.7MHzのハムバンド
電波型式 A3J(USB,LSB)A1(CW)A3(AM)F(RTTY)F3(FM)
周波数ステップ 10Hz,1KHz,1MHz,HAM BANDステップ
電源電圧 DC13.8V ±15%
消費電流 受信無信号時 1.2A 送信最大出力時 20A
送信部
送信出力 SSB,CW 10~100W連続可変但し28MHz帯は50W
変調方式 SSB 平衡変調 AM 低電力変調 FM リアクタンス変調
FM最大周波数偏移 ±5KHz
スプリアス発射強度 -50dB以下
搬送波抑圧比 40dB以上
不要側波帯抑圧比 50dB以上
マイクロフォンインピーダンス 600Ω
受信部
受信方式 トリプルスーパーヘテロダイン
中間周波数 第1 SSB/AM/FM 70.4515MHz CW 70.4506MHz 第2 SSB/AM/FM 9.0115MHz CW 9.0106MHz
受信感度 SSB/CW 0.1~1.6MHz 10dB S/N 0dBμ以下 1.6~30MHz 10dB S/N -16dBμ以下
AM 0.1~1.6MHz 10dB S/N -16dBμ以下 1.6~30MHz 10dB S/N 0dBμ以下
FM 1.6~30MHz 12dB SINAD -6dBμ以下
FMスケルチ感度 1.6~30MHz -10dBμ以下
スプリアス妨害比 イメージ比 80dB以上 中間周波妨害比 70dB以上
選択度 SSB/CW 2.3KHz(6dB)以上、4KHz(60dB)以下
AM 6.0KHz(6dB)以上、18.0KHz(50dB)以下
FM 15KHz(6dB)以上、30KHz(60dB)以下
低周波出力 3W以上8Ω負荷10%歪時
RIT可変範囲 ±0.8KHz
ノッチフィルター減衰量 30dB以上
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