私(JA2FJG)がマイクロウェーブに夢中になっていた頃に自作した10GHzトランスバーター 

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10GHz TRV 

5.7GHzに続きJA2FJGが製作した10GHzトランスバーターの紹介です

10GHzあたりまではテスターと簡単な自作のパワーメーターくらいでなんとか調整はできますが、定量的なデータを取るにはやはりそれなりの測定器が必要になってきます。

パワー計(HP432A),マイクロ波カウンター(TR5211B),スペアナ(TR4133A)を入手してからは、製作、調整も随分楽になりました。

10GHzトランスバーター の基板

それまでもNECの1SS105をはじめ各社のミキサー用のダイオードやNECのミキサーモジュールMC-5807を使用したトランスバーターを製作しておりましたが、ハムジャーナルにすでに亡くなられたJA1EPK大日方OMが投稿された10GHzのトランスバーターに興味を抱き基板、パーツを領付いただけるとのことで早速申し込みました。

金メッキの素晴らしい基板でケースも含めすべて揃っているので楽でした。

特にスルーホールは素人工作ではこうはいきません。
ただかなり細かいので半田付けにはいささか難儀しました。
後にほぼ同じ物を西新潟クラブのJA0DFR浅妻OMが再現されておられます。

10GHzトランスバーター局発

10GHz TRV 局発

局発は例によってドレークの基板を改造した物を使い、当時はまだ少なかったのですが(現在も同様です)将来の10GHzピーターを見越して送信時に10GHzで70MHzシフトするようにしておりました。

受信時とシンプレックスの時は8.75MHzx256x2=4480MHz
レピーターの送信時は8.6816406MHzx256x2=4445MHz
2段構造で裏側に2逓倍部があります。

トランスバーター、アンプはミーリングですが局発部はアルミのチャンネルを加工した自作のケースです。

トランスバーター部でさらに2逓倍され8960MHz,8890MHzになり、親機の1.2GHz帯とミックスされ10GHz帯になります。

その後JA2GUJ柴田さんが豊橋に1.2GHz,5.6GHz,10GHzのレピーターを開設されました。
ただ少々早すぎたようでユーザーはほとんどおりませんでした。
私も固定には10GHzのアンテナがありませんので、JA2GUJさんの近くまで行き調整をさせていただきました。

10GHzトランスバーターAMP

10GHz TRV HPA
パワーアンプはやはりJA1EPK大日方OMにお世話いただいた、アメリカの衛星を介しての交信に使われていたジャンクの基板です。
うれしい事に三菱のFETが使用されております。
改造と調整で800ミリワットくらいの出力ですが移動ではけっこう飛んでくれました。

10GHz TRVのケースイン

10GHz TRV 

トランスバーターは少し大きすぎるケースですが上下2段になっており、片面に局発とトランスバーター部を配置し、裏側にパワーアンプとコントロール回路が収まっております。
将来的にLNBやパワーアンプ等の増設を見越しております。
前面パネルのメーターはパワーを表示したいのですが、原状は電圧の監視用となっており、移動時のバッテリーあがりの防止用です。

スィッチは左側が電源スイッチで右側は、シンプレックスとレピーターの切り替えようで、レピーター時に右側のLEDが点灯します。
少々明るすぎますが、10GHzは移動主体ですので明るくしてあります。
これは制限抵抗を変える事によって加減できます。

10GHzトランスバーター内部

10GHz TRV 内部

伊良湖ビューホテルの屋上での移動風景

伊良湖ビューホテルでの移動風景

最後に伊良湖ビューホテルの屋上での移動風景で、この時は5.7GHz,10GHz,24GHzの運用でしたが、残念ながら24GHzはNGでした。
10GHzは長野県、富士山、伊豆半島他と交信をする事ができました。



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