買い取りしたヤエス無線機のメンテナンス 最後のFL-101 2022.08.15 この記事は約9分で読めます。しばらく色々な事情があって遠ざかっておりましたが、この方から買い取りした分の最後のメンテナンスです。他の無線機はすでに旅立っていきました。FL-101Sカタログ上のデータは下記の通りです。FL-101発売時期 1974年電波形式 SSB, CW, AM, FSK送信周波数 1.9, 3.5, 7, 14, 21, 28MHz帯終段/入力 6JS6C×2/200W DC(SSB,CW) 80W DC(AM,FSK)搬送波抑圧比 40dB以上側波帯抑圧比 40dB以上不要輻射強度 -40dB以上第3次混変調歪 -31dB以下周波数安定度 初期変動300Hz以内、その後30分当り100Hz以内フィルタ 3MHz台 XFVFO 9MHz台構成 ダブルコンバージョン最近の無線機と比べるのは少々可哀想ですが、やはり見劣りすることは否めません。FL-101型送信機は160mから10m迄の全アマチュアバンドでSSB,CW,AM,RTTYのオールモードの送信ができるフィルタータイプの高級送信機ですと謳っておりますので、同じヤエスの高級機FTDX9000Dと比べてみますと搬送波抑圧比 40dB以上に対して70dB以上、中級機と位置づけられるFTDX1200の60dB以上と比べてもあきらかに劣っております。廉価機のFT-817と同等です。もちろん搬送波抑圧比だけで比較はできませんが!当然34年問題の新スプリアス規制には対応しておりません。JARDのスプリアス確認保証可能機器リストにも記載されておりません。このFL-101SはSタイプですが、6JS6を2本にして100Wに改造してあります。他の無線機同様大事に使ってその後元箱に入れて保管してありましたので、外観は割りとキレイです。特に表面パネルは保護フィルムが付いたままですので非常にキレイです。ACC用のプラグがありませんので、他のFT-101から借用してきました。このACC用のプラグがないと真空管のヒーターに電源が供給されませんので、FL-101単独での運用ができません。電源スイッチ・オンで真空管のヒーターは点灯しました。パワーメーターを接続して送信してみましたがパワーメーターはビクともしません。バイアス電流は送信機のメーターではほぼ規定通り流れております。RFOUTにRCAプラグでオシロスコープに繋いでみましたが波形はでてきません。やはり他の無線機同様に各スィッチの接点不良が疑われるので、やはり他の無線機同様に接点クリーナーのお世話になりました。リレーは取り外して2000番の紙やすりで丁寧に磨いて接点クリーナーを振りかけておきました。しばらく放置した後改めて送信すると今度は弱いながらもパワーメーターは振れます。個別に確認しなかったので送信不良の原因はリレーなのかスィッチなのかはわかりません。ここまでくるとあとは型通りにMOD/OSCユニットのTC1,VR1でキャリアバランスの調整。高周波回路のトラッキング調整で7MHzにて100W弱まで振れるようになりました。ただしパワーメーターは校正してありませんので目安程度です。キャリアーポイントは簡単にこれも校正していないカウンターで合わせておきました。マイクが通常の4ピンとか8ピンではないのでSSBでの他機とのテストはしておりません。リンクリンク無線機の買取依頼は川花書房へ!共有:TwitterFacebook