スペアナが欲しいの一念で旧型ながらなんとか使えるようになりました

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スペアナ画像

テスター一丁からオシロスコープ、スペアナまで

ラジオや無線機を自作したり、修理をするのに測定器がテスターしかなかった少年時代から比べると、少しは揃ってきました。
テスターからオシロスコープそしてスペクトラムアナライザと測定器が変わると、見えるモノが違ってきます。

テスターではわからなかったところが、オシロスコープではわかるようになります。
オシロスコープでは見えなかったモノがスペクトラムアナライザでは見えてきます。

現用のR3361Aにたどり着くまで

特にマイクロウェーブにのめり込んでより高い周波数となってくるとスペクトラムアナライザは必須となってきます。
しかしとても高価でおいそれと手に入るものではありません。

それでも何とかしたい一心で、ジャンクのYIGフィルターにマイクロ波のデテクターでスペアナもどきを作りました。
YIGフィルターをノコギリ波でスィープさせ、YIGフィルターの直線性と急峻な特性を利用して、X.Yスコープに映し出します。
なんとか24GHzも見えました。

スペアナもどき
ジャンクのYIGフィルターとマイクロ波用のデテクターです
スペアナもどきの内部
通常のスペクトラムアナライザがスーパーヘテロダイン受信機だとすると、鉱石受信機そのものです。
次の段階では Win版スペアナGigaSt Ver 4のお世話になりました。
本家の青山さんのサイトは残念ながら閉鎖されるようです。
半完成品でケースに入れただけですが、ほぼ同時期に本物のタケダ理研(現アドバンテスト)のスペクトラムアナライザTR4133Aを入手しましたので、GigaStは組み立てただけでほとんど使っておりません。
TR4133Aの周波数範囲は10KHZ~20GHzですが、端っこでなんとか24GHzも見る事ができます。
その次に手に入れたのが、アドバンテストのR3361Aです。
仕様は周波数帯域:9KHz~2.6GHz、分解能帯域幅:30Hz~1MHz、入力レベル:-130dBm~+25dBm、エージングレート:±2×10マイナス8乗/日、トラッキングジェネレータ内蔵、50Ω、N型です。
これは現在の商売になってから買取したものを、現用機として自分で使っております。
TR4133Aはヤフオクという仲人さんを介して嫁に出しました。

スペクトラムアナライザとは

アドバンテスト R3361A
スペクトラムアナライザのことは略して通常はスペアナと呼ばれております。
横軸が周波数、縦軸が電力を表示する測定器です。
スペクトラムアナライザは周波数を測定する測定器ではなく周波数ごとのレベルを測定する測定器です。
正確な周波数の測定はカウンターに任せましょう。餅は餅屋です。
周波数確度はカウンターの方がはるかに正確です。
スペアナの画面の縦軸はdBm、対数(log)のパワーが表示されます。
縦軸の一番上の部分が部がリファレンス・レベルです。
通常のスペクトラムアナライザではここが 最も正確に測定できるポイントです 。
横軸の周波数は、通常スタート・ストップ周波数、または中心周波数とスパンを設定することで比測定対象周波数を決定します。
また、測定スペクトラムの周波数分解能を変えるために、RBW 分解能帯域幅を設定します。
さらにVBW ビデオバンド幅を設定することで、変動の激しい信号にアベレージング効果をもたらすことで平滑化することができます。

スペクトラムアナライザの構造

スペクトラムアナライザはスーパーヘテロダイン受信機のようなもので、RFブロックのダウンコンバータで固定のIF周波数に変換します。
IF信号は通常20MHzなどの低い周波数で、そのあと、IFゲインアンプ、アッテネータ、IFフィルタ(いわゆるRBWのことです)、リニアをログに変換するログアンプ、検波器、ビデオフィルタをとおってディスプレイに表示されます。

最近では、IFフィルタ以降にADコンバータを使用して、デジタル処理を行う事が多くなっております。

スペアナを正しく使ううえで重要なのはRFアッテネータです。
RFアッテネータはダウンコンバータのミキサーへ過大な入力が加わらないようにするためにあります。

ミキサー等の損傷を避けるだけでなく過大な入力によりリニアティが損なわれないようなレベルにコントロールします。

過大な入力は厳禁でRFアッテネータ等を焼損するとベラボーな修理代がかかります。

通常適正なレベルは高級機で+3dBm~5dBm程度、低価格機では0dBm以下です。
例えば+10dBmの信号を入力する際には、少なくとも10dBまたはそれ以上のアッテネーターを使用します。

IF部分で最も重要な部品はIFフィルタです。いわゆるRBWのことです。
スペクトラムアナライザでは、 同調している周波数の周囲のどの程度の幅の周波数成分を検波器まで通過させるかは RBW フィルタによって決定されます。

RBWは分解能帯域幅の略ですが、これをコントロールすることにより、管面上に表示されるスペクトラムの分解能を変更することができます。
また、RBWにはノイズフロアを下げる重要な役割もあります。RBWはフィルタですので、帯域が広いほどトータルのノイズ量も増加します。

帯域が狭まればノイズ量も減少します。

このノイズ量はRBWの幅に比例しますので、RBWが1/10になると、ノイズは10dB下がります。

ただし、フィルタには時定数が存在するために、急峻なフィルタは応答速度が遅くなります。
RBWを下げるとスペアナの掃引速度が遅くなる事は良く経験します。

つまり高速に測定したい場合には、スパンを狭くするか、RBWを粗くしなければなりません。

このように、掃引速度とノイズフロアには相関関係があります。

高嶺の花だったスペアナも少し頑張れば、手が届くようになりました。



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