持ち込み買い取りしたヤエスのFT101Bのメンテナンス 2022.01.10 2019.08.05 この記事は約9分で読めます。ヤエスのFT-101とトリオTS-520はよく比較されますが、両社ではコンセプトが違っていたように感じております。両機ともSSB TRANCEIVERと称しておりますが、送信モートではFT-101はAMが最初から用意されていましたが、TS-520ではAMには対応していません。FT-101は元々、CB向けとりわけ北米での販売を意識していたものと思われる。思惑が見事的中し爆発的なヒット商品になったようです。日本に於いても当時FT-101シリーズでCB帯にQRVしていた方々も多かったのではないでしょうか?私の周辺にも随分おられました。もちろん違法ですが!機能的な大きな違いは終段管でヤエスのFT-101はテレビの水平出力管の6JS6、対してトリオのTS-520は当時の松下電器の通信用真空管S2001を使用しています。プリセレクターはFT-101はギロチン呼ばれるμ同調でコアをPRESECTノブで操作する、TS-520では同調バリコンをDRIVEノブで操作するのであるが、やっぱりプリセレクタの性能はQの高いμ同調に軍配があがります。古い無線機ですので手に入れるにはヤフオク等になりますが、リアパネルの11PINのプラグが欠品していることが多いので気をつけなければいけません。このプラグが無いと終段管のヒータが通電しないので送信出来ません。これをご存じなくて故障と勘違いされる方もあります。更にこのプラグの入手は現在ではなかなか困難になっております。又電源プラグも欠品の可能性あるので注意必要です。これらのプラグはヤフオクでもビックリするような高値で取引されております。今回のFT-101はすべて揃っておりました。事前の点検で下記の不良がありました。1 バンド、モード、マーカーの各スィッチの接触不良2 各VRのガリ3 送信不良(僅かな出力しか出ない)1のスィッチの接触不良には接点洗浄剤を吹き付けます。接点復活剤ではなく、接点クリーナーを使用します。接点復活剤はべとべとする溶剤がそのまま接点周りに残りますのでNGです。2のVRのがりに対してもコストカットのためか安価なVRが使用されております。使用されているボリュームは隙間が空いている安価なボリュームが使用されています。このため端子近くに隙間があります。この隙間から接点洗浄剤を噴霧しガリなどが解消することができます。3の送信出力が極めて少ない原因は当初PTTスィッチの不良と思っておりました。しかしPTTスィッチに接点クリーナーを吹き付けても改善されません。少々手こずりましたが、結果的にはこれもキャリヤーVRの接触不良が原因でした。このボリュームはマイクゲイン調整用と2連ボリュームとなっているため、新品ボリュームの入手は難しくなっています。不具合はすべて接点クリーナーで解消してしまいました。あとは調整です。FT-101のトラッキング調整とは、いわゆるギロチンと呼ばれる3つのμ同調を、アンテナ同調・送受信混合・トライバ同調を合わせる作業です。必要なモノは信号発生器(内蔵マーカでも可)と出力計、周波数カウンターそしてダミーロードです。先日買い取りしたばかりのHPのSSGが床に置きっぱなしになっておりますが、今回はマーカーで済ませました。FT-101Bの場合は、28.5MHz・21MHz・14MHz・3.5MHz・7MHz・1.9MHzの順番で行います。この調整で、7MHzでは100Wは軽く超えています。キャリアーの周波数とキャリアバランスは変調ユニットPB-1184で行います。平衡変調回路のキャリアバランスMIC GAINを0にして他の受信機で受信し、Sメーターが最小になるようにPB-1184のVR1とTC1で調整します。キャリアー発振回路はLSBの時は3181.5KHz,USBの時は3178.5KHz,CW,AMの時は3179.3KHzになるように、TC2.3.4を調整します。リンクリンク 無線機の買取依頼は川花書房へ!共有:TwitterFacebook