買い取りした名器TS-830の流れをくんだケンウッドのTS-850の修理

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TS-850S
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無線機の修理も古本の整理もどちらも一向に捗りません

古本業界もずいぶん様変わりして、今やアマゾンの一強多弱で、どこかの国の政治状況とよく似ております。
リアル店舗の古本屋はほとんどが廃業してしまい、当地豊川もブックオフが一軒とイオン系の「未来屋」のみとなってしまいました。

個人経営の古本屋は皆無です。
古本屋だけでなく新刊書店も減り続ける一方です。

アマゾンで古本の販売もしておりましたが、度重なる値上げと競合相手の増加に嫌気がさして出品にも熱が入りません。
そんな状況の中古本の不良在庫品がずいぶんたまり、狭い保管場所を圧迫しております。

今では買い取りをお断りしておりますが、昔買い取った大きく重たい事典や辞書のたぐいが我が物顔に狭い空間を占拠しております。
いっそのこと廃棄すれば良いのですが、業者に依頼すれば結構な料金を請求されます。

ブックオフやDIYのスミに置いてあるコンテナに持っていけば良いのですが、クルマもミニバンから軽にかわりましたので、何往復もしなければならないし、ここ最近ひどくなった腰痛も気になるところです。

売れなくなったのは古い無線機も同様です

売れなくなったのは何も古本に限った事では無くて、古い無線機も同様です。
スプリアス規制の影響もあると思われますが、旧スプリアス機はほとんど需要がありません。

ハンディ機、モービル機はこの影響が顕著にあらわれております。
悲しい事に反面買い取りの依頼があるのは、これらの無線機が大半です。
新スプリアス対象機を扱ったのは数えるほどです。

つい先ほども持ち込みでトリオの古いTR-100Bと着払いで同様に古い無線機が6個口で届きました。

宅配便で到着
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そんな事情だけではなく、体力、気力の衰えもあって無線機の修理も一向に捗りません。
ケースから出したままむき出しになった状態の無線機も数台あります。
こんな状態でしばらくすると、ビス等が行方不明になってしまいまし、前回点検した箇所も歳のせいもあってすっかり忘れてしまいます。

次回はまた同じところからやり直しです。

しかたなく先日もヤフオクで、3ミリと4ミリのビスを何種類か落札しました。

久し振りにケンウッドのTS-850の修理

ここしばらく無線機の修理から遠ざかっておりましたが、久しぶりに重い腰を上げて半田鏝を握ってみました。
随分前に買取したものの不動品として、要修理品の棚のスミで眠っていたケンウッドのTS-850を引っ張り出してきました。

知る人ぞ知る名器TS-830の流れを引き継いだHFのトランシーバーです。
終段部こそ真空管ですがTS-830は今でも通用するトリオ、ケンウッドでも3本の指に入る名器です。

TS-800シリーズは1976年発売のTS-820からはじまり、TS-830,TS850,TS870と続いた

ハイエンドのTS-900シリーズに次ぐ最高級機直系の高級実戦機ラインです。

棚のスミで眠っていた不動品のTS-850

TS-850はTS-820,TS-830の後継機で終段部が真空管のトランシーバーからオール半導体に進化したトランシーバーです。

広帯域受信、周波数メモリー、FM送信、デュアルVFO、オートアンテナチューナー内蔵、DDS,CWピッチ変更、CWキーヤー&メモリーキーヤー内臓、etc
随分進化をとげた無線機で、発売当時はまだTS-520を使っていた私は指をくわえてCQ誌の広告を眺めておりました。

根っから貧乏人の身にはとても新品を買う財力もありませんでした。
幸いにも古物商を営むようになって昔欲しかった物が手に入り、TS-850をはじめいろいろな無線機が弄れるようになりました。

改めて電源を入れてもヘッドフォンを付けて耳をすませばかすかにノイズが聞こえるレベル、AFが逝かれています。
開いてみますとご多分にもれず、AF部の電解コンデンサーの液漏れ。

腕が悪く安物のデジカメなので、ピンボケの写真ですが

電解コンデンサーの交換

この時代の電解コンデンサーに比べると、最近の電解コンデンサーは随分小さくなりました。

図体は小さくなりましたが、性能は向上しております。

電解コンデンサーの交換を終えスイッチを入れると当たり前の事ですが、ボリュームをあげるとかなりの音量でノイズが入ってきます。

リード線をつないで7MHzを聴いてみるとコンディションの悪いなか、強い局は聞こえてきます。

オートアンテナチューナーの動作も正常で、送信時の出力も100Wをゆうゆうクリアーしております。
懸念したボリューム類のガリもなく、このまま十分使い物になりそうです。

現在ラックのHF帯はトリオのTS-520とJRCのJST-245がラックに収まっております。
アンテナの切り替えも大変になりますので、これ以上HFの無線機は置けません。

TS-850の受信音はトリオトーン(ケンウッドトーン?)ですが、私の大好きなTS-520の音とは若干違います。
やはり私にはTS-520の音の方が好みに合っています。

開腹したついでに簡単に調整もしておきます

開腹したついでにキャリアーユニットの電解コンデンサーを交換しておきます。
チップコンのランドの半田のノリが悪く、半田付けにはてこずりました。
無水エタノールで拭きましたがどうも基板が酸化気味のようです。

キャリヤーユニット

マイクロウェーブの自作カラー遠ざかってしばらく真空管ばかりイジッテおりましたので、チップ部品のはんだ付けは久し振りです。
マイクロウェーブの製作をやっていたころは1005サイズのチップ部品でも平気だったのですが、
視力の衰えもあってチップ部品のはんだ付けにはスタンド付きのルーペが必要です。

チップ電解コンデンサー

続いて基準周波数を20MHzにセットします

カウンターは古い竹田理研のマイクロウェーブカウンターTR5211Bです。

長い間校正はしておりません。
というよりも較正したくともGPSの10MHz基準はこれもマイクロウェーブから遠ざかるとともに2台ともヤフオクで売却済み。

20MHz

Trimble ThunderBolt のGPS 周波数標準器は当時結構な値段でしたが、
今はGPSのユニットが安価に手に入るようなので、いずれ試してみたいと思っています。

久し振りにチップ部品の半田付けをやってみて、改めて視力の低下を実感しました。

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