「ポラリスプレシジョン合同会社」とは
ポラリスとは正式には「ポラリスプレシジョン合同会社」で今年3月に設立された新しい会社です。「サイエンテックス社」のSR-01の開発に関わった技術者数人で立ち上げた会社です。
所在地は「サイエンテックス社」に近い、静岡県浜松市北区初生町1273番地の1クリサンテA102号です。
3月に立ち上げたばかりのポラリスが、技適取得に関するコンサルタント業務を行っています。
ポラリスは、無線機の製品企画、設計開発、技術基準適合証明の申請と取得、製造の管理、販売に至るまでのプロセスを一貫して手掛けており、これらメーカーとしての技術やノウハウを提案するようです。
そのポラリスが「スーパートランシーバーONE」を発表
関ハムで詳細が発表され、購入希望者に「Blackbird」がまだ届いていないこの時期に
「スーパートランシーバーONE」を2019年に発売するとHP上で、公表しました。
アマチュア無線機の開発、販売をすると予告はされておりましたが、まさかのこの時期での発表にいささか驚きました。
スーパートランシーバーの「スーパー」は何を意味するのか ?
超越している意味の「スーパー」なのか、スーパーヘテロダインの「スーパー」なの。
送受信周波数範囲 が 14.000MHz~14.350MHz , 18.068MHz~18.168MHzのSSB(J3E) / CW(A1A)のトランシーバーで空中線電力 +27.0 dBm ~ +37.0 dBm ( 0.5W ~ 5W)です
なぜ14MHz帯と18MHzのデュアルバンドにしたのか
送受信周波数範囲 が 14.000MHz~14.350MHz , 18.068MHz~18.168MHzのデュアルバンドを選択した意味がよくわかりません。
14MHz帯と18MHz帯と聞いて頭に浮かぶのは、DX(遠距離)通信に適しているという事です。
ただ14MHz帯は第2級アマチュア無線技士以上の「無線従事者」の資格が必要です。
また18MHz帯は第3級アマチュア無線技士以上の「無線従事者」の資格が必要です。
このことからも少なくとも初心者向けではないようです。
DX(遠距離)通信用というのであれば、ロッドアンテナもマッチしません。
またパワーも+27.0 dBm ~ +37.0 dBm ( 0.5W ~ 5W)では物足りません。
競合商品は何 で?どこを目指しているのか ?
現在はHFのデュアルバンドトランシーバーは販売されておりませんので、その意味ではオンリーワンでしょう。
アマチュア無線機もメーカー品が出始めた初期の頃は、3.5/7MHzのデュアルバンドの送信機が当たり前でした。
あえて探せば、HFであることと、コンパクトな事から、エレクラフトのKX2、KX3またはヤエスのFTー818NDがあります。
デュアルバンドではありませんが、かってはトライバンドのミズホ通信の 7/14/21MHz SSBトランシ-バ-DC-701や、同社の 7/21/50MHz SSB/CWトランシ-バ- SB-8X がありました。
FT-818NDは標準価格 99,800円(税抜)ですが、実売価格は7万円台で3台も買えます。
どこが優れているか
HP上に記載された送信スプリアス -50dB以下、イメージ妨害比 70dB以上のスペックはFT-818NDと同じです。
外形サイズ は165(W)×78(H)×246(D)mm (アンテナ、ダイヤル、その他突起物除く)で
Blackbird のケースを流用したものと思われます。
ヤエスのFT-818NDが1.9MHz帯から430MHz帯までのアマチュアバンドをオールモードでカバーしながらも、W135 x H38 xD165mm/本体約900gです。
エレクラフトのKX2はさらにコンパクトです。
とにかく高くてとても手が出ない
本体価格 220,000円(税別)はあまりも高すぎます。
これでは競合他社の割安感が増すだけでは ?