ケンウッドのTM-2400は国産初の2400MHz帯トランシーバー

この記事は約7分で読めます。
tm-2400

2台目のケンウッドのTM-2400

TM-2400は以前に所持しておりましたが、台風で2.4GHzのアンテナを失いさらにマイクロ波への関心も薄れてしまい手放してしまいました。
今回珍しく買取品に混じっておりました。

マイクロ波における2.4GHz帯の位置づけ

マイクロ波とは一般的には、波長 1mから100μm、周波数 300MHzから3THzの電波(電磁波)を指しております。
このなかには、デシメートル波 (UHF)、センチメートル波 (SHF)、ミリメートル波 (EHF)、サブミリ波が含まれております。
2.4GHz帯は波長にすると約12.5センチなので、センチメートル波 (SHF)と呼ばれております。
電子レンジはこの周波数帯を使用しております。
他には医療用機器もあります。
しかしこれは、明確な定義ではなく、より狭い範囲や時にはより広い範囲を指してマイクロ波と呼ばれる事もあります。

2.4GHz帯は電波の直進性が強く、地上伝播上は建物等の影響で減衰を受けやすい周波数帯です。
アマチュア無線機やアンテナの市販品はほとんど無く、同周波数帯の他業務用機器を改造する場合が多いのですが、最近では無線LAN用のアンテナは数多く市販されております。

アマチュア無線には二次業務で通常の音声による交信以外にレピーター、アマチュア衛星通信、EME、ATVが許可されております。
ISMバンド内にあり、電子レンジや工業用マイクロ波加熱装置は2450MHzを利用しているため、動作中は強力な混信を受ける場合があります。

一次業務としては、RFIDに移動体識別用構内無線局に2448.875MHz(帯域43.75MHz)が割り当てられており、アマチュア業務はこれを妨害してはいけません。

免許の必要のない局として、無線LAN(Wi-Fi)やBluetoothやコードレス電話や模型用ラジコンに小電力データ通信システムに2400~2483.5MHzが、RFIDに移動体識別用特定小電力無線局に2441.75MHz(帯域幅83.5MHz)と2448.875MHz(帯域幅5.5MHz)が割り当てられています。

これらに対してはアマチュア局が優先しますが、都市部での無線LANの混信は回避しづらい傾向にあります。
以外に思われるかもしれませんが、無線LANよりはアマチュア局の方が優先されます。
つまり無線LANがアマチュア無線によって妨害を受けても文句は言えない立場にあります。

ケンウッドTM-2400

TM-2400は1992年に ケンウッドから発売になった国産初の2400MHz FM 1Wのトランシ-バ-で139,800円
TM-742,TM-842,TM-942シリーズと同様に無線機本体とパネル部分を分離する事ができます。
さらにパネル部分を表示部と操作部に分ける事ができます。
この事によってクルマに搭載する際に別々に取り付けられますので、より自由度が増します。

オプションのユニットの追加により、デュアルバンダーとなります。
今回買い取りのTM-2400は1200MHz帯のユニットUT-1200が増設されております

TM-2400の発売当時当局はマイクロウェーブに熱中していた頃で、すでに2400MHz帯のトランスバーターは何台か作り、いずれはトランシーバーもと思ってはおりましたが、デジタル回路に疎くて周波数の制御関係がうまくいかず断念した経緯があります。
注目していた終段のデバイスは1200MHz帯はM67711で10W
2400MHz帯はMGF0905Aで1W
MGF0905Aは三菱のL,Sバンド用GaAsFETで、前段に同社のMGF0904Aが使用されております。
これらのデバイスは当時は非常に高価だったマイクロ波のデバイスとしては簡単にしかも安価に入手できましたので、私もトランスバーターに使っておりました。

そんな折にTM-2400が発売になりましたので、早々に予約を入れて購入しました。
同時期に豊橋のJA2GUJ柴田OMが2400MHzのレピーターを設置されましたので豊橋近辺では割合多くの方がアクセスされておりました。
それらの方の多くがTM-2400を使用しておりました。

2.4GHz帯の今後

2.4GHz帯はアマチュア無線においては、何故かあまり人気のないバンドです。
かっては数多くのメーカーが参入し、さまざまな種類の無線機が販売された1200MHz帯も、相次いでメーカーが撤退し現在では極限られた機種のみとなりました。
そして1200MHz帯のレピーターが減力を余儀なくされ、TV局の各種の中継があるたびに停止を要請されるようになりました。

もともとメーカーがあまり関心を示さなかった2.4GHz帯なので、アマチュア無線局各局が頑張らなくてはさびれてしまいます。
しかし現状では残念ながら若い人の関心も薄いようです。


無線機の買取依頼は川花書房へ!