TS-990は2013年に発売されたケンウッドのハイエンド機です。
昭和27年(1952)にRFなしIF1段6球4バンド受信機6R-S(春日無線工業=トリオ=現ケンウッド)を、世に出して以来68年の長きにわたってアマチュア無線の普及に貢献してきたケンウッドのハイエンド機(フラグシップ機)です。
アイコム、ヤエスよりも価格を抑えたTS-990
出力50WのTS-990Dと出力200WのTS-990Sの2種類あります
TS-990シリーズには3アマ免許以上で使用できる、出力50WのTS-990Dと2アマ以上の資格が必要な、出力200WのTS-990Sの2種類あります。
特徴はハイエンド機としてはヤエスのFTDX9000やアイコムのIC-9851よりも、価格を抑えてあり希望小売価格は760,000円(税抜き)です。
「TS-990」シリーズは、異なるバンドでの二波同時受信に対応するデュアル・レシーバーを搭載。
そのメイン受信部は、フルダウンコンバージョン構成とし、新開発のミキサーや狭帯域ルーフィングフィルターを採用することで、第3次インターセプトポイント+40dBmクラスの性能を実現。
シリーズ最高の受信基本性能を達成。
また、32bit浮動小数点演算DSPを3個搭載、進化したDSP技術で実現した独自のIF AGC制御など、先進の技術でHF機において真に求められている高次元の受信性能を実現しています。
ファイナルアンプには50V駆動POWER MOS FETを採用し、200Wの高出力でも安定した歪みの少ない運用が可能です。
さらに世界初※1デュアルTFTディスプレイ搭載により、バンドスコープ機能をはじめ、オーディオスコープ、Sメーター表示など快適な視認性、操作性を実現しています。
★ チェックポイント
✔ シリーズ最高の受信基本性能
✔ 200Wでも安定した歪みの少ない高出力
✔ デュアルTFTディスプレイ搭載
TS-900からはじまったTS-9XXシリーズ
TS-900からはじまったTS-9XXシリーズ
ケンウッドの前身のトリオから1973年に発売になったTS-900からHFフラッグシップ900番台の歴史は始まりました。
10WのTS-900X、100WのTS-900D、200WのTS-900Sの3種類があり、TS-900Sは大卒初任給 約62,000円の時代に定価で264,000円。
終段菅にはEimac社の送信専用管4X150A(7034)を採用。
HFファン垂涎の的でした。
TS-900に続いてTS-930
2番手は 1982年にKENWOOD から発売になったTS-930です。
1982年の発売当時では業界ではじめてオートアンテナチューナーを内蔵させました。
業界初(1982年7月時点)のオートアンテナチューナー内蔵モデルです。
TS-930Sは終段にモトローラのMRF-422を2本採用し、リニアリティーの向上のため30Vで動作させ低歪みを実現しております。
受信部もFET 2SK125を8本採用したフロントエンドやIF SHIFT、SSBスロープチューン、IF NOTCH等により混信対策にも力を注いでいます。
TS-930からTS-940へ
さらにKENWOODから 1985年に発売になったTS-940へと移行して行きます。
TS-930からの主な変更事項はドットマトリックスのサブディスプレイが付いた点です。
高ダイナミックレンジのHFトランシーバーでフルオプションのTS-940SL(リミテッド)もありました。
TS-940を進化させたTS-950SD
KENWOODから 1989年に発売になったTS-950は発売当時としては業界ではじめてDSPを搭載してデジタル無線機の先駆けとなったHFトランシーバーです。
2波同時受信機能やスプリット運用機能でDXerの要望に応えたHFトランシーバーです。
TS-950SDからさらに発展TS-950SDX
TS-950SDからさらに発展させたTS-950SDXをKENWOOD は 1992年に発売。
発売時点で業界最初のFETファイナルを搭載しました。
このように1990年代までは発売時点で業界初を連発しておりましたが、最近のケンウッドの無線機の開発には疑問を抱かざるを得ません。
春日無線時代からのケンウッドファンとしては特にアイコムの情熱からすると残念でなりません。
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