50MHz帯のSSBが全盛期に発売されたアイコムのIC-505

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SSB全盛期のアイコムのIC-505
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はじめてお目にかかったアイコムの50MHz帯のオールモード機IC-505

先日掛川から持ち込みいただいた無線機のなかに、アイコムの50MHz帯のオールモード機のIC-505がありました。
IC-505 は 50MHz SSB/FM/CW 10W で定価は78,400円で1982年に発売。
オールモードと呼ぶにはAMがありませんので、正確にはオールモード機ではありませんが、ここでは便宜上オールモード機と呼ぶ事にします。
IC-505の存在は知っておりましたが、お目にかかるのははじめてです。
こうして当時存在だけを知っていた無線機を後になって手にすることができるのはありがたい事です。

この頃は50MHz帯のSSBが盛んな頃で各社が競って、50MHz帯のオールモード機を販売しておりました。

発売年メーカー型名モード出力定価
1976年トリオ TS-600 SSB/CW/FM/AM 10W 134,500
1978年 ヤエス FT-625SSB/CW/AM/FM 10W136,000
 松下電器 RJX-610SSB/CW 5W49,800
 アイコム IC-551SSB/CW/AM/FM 10W89,800
1979年ベルコム LS-60SSB/CW/AM 10W59,800
 NEC CQ-P6500SSB/CW 1W43,800
1980年アイコム IC-502ASSB/CW 3W44,800
1981年トリオ TR-9300SSB/CW/AM/FM 10W89,800
 ヤエス FT-690AM/CW/SSB/FM 2.5W65,800
1986年ヤエス FT-690mkⅡSSB/CW/FM 2.5W66,700

SSBとは通信方式のひとつで搬送波を抑圧して、側波帯(LSBまたはUSB)のみを送信し受信側で搬送波に相当するものを加えて復調する。
通常の振幅変調(AM)と比べて、下記のような利点があります。
中波の放送は振幅変調(AM)を使用しております。

1 使用する周波数の帯域幅が半分で済む。
2 送信電力が少なくてすむ。
3 フェージングに対して通話の品質低下が少ない。

アイコムのIC-505ってどんな無線機 ?

◆3W/10Wの切換えがワンタッチで行えてます
ポータブルタイプのトランシーバーながら、パワートランジスター(2SC3133)の使用によって10Wの出力が可能。
もちろん乾電池での10W運用は乾電池の容量の関係で厳しいものがあります。

◆3種の電源で運用することができます
乾電池パック(UM‐2×9本)、オプションのニッカドバッテリーパック(IC‐BP10)、外部電源を使用して運用する事ができます。
ただ外部電源用のコネクターは特殊な3ピンで、現在では入手が困難です。

アイコムのIC-505の背面

本機には付いておりましたので、無くさないように気を付けます。
バッテリーパックの装着はワンタッチですので、電池の交換や着脱は簡単に行えます。

電池の交換が容易なアイコムのIC-505の上面

◆高感度の受信部と妨害に強い選択度特性

ローノイズ、ハイゲインのデュアルゲートMOS FET(3SK74)を初段のRF回路に、同じMOS FETで2段および専用ICで増幅するIF回路を採用し、ポータブルトランシーバーながら固定機並みの性能を有しております。

◆送信部も歪の少ない回路の採用

専用のIC(μPC1037H)を平衡変調回路に使用し、バランスドミキサー方式の送信混合回路と相まって歪の少ない良好な送信部。
さらに周波数ごとにトラッキングをとる方式のB.P.Fと、パワートランジスタ(2SC3133)の使用によって10Wの安定した出力が可能。

◆DUAL VFOシステムを搭載したマイコン制御機能

RITでは追いきれない送信周波数と受信周波数を独自に使えるDUAL VFOシステムを採用して、DX QSO(海外との遠距離通信)のスプリット運用にも対応できます。
また4MHzと広いバンドを二つのVFOを使用して使い分ける事ができます。
モードに関係なく、自由に周波数を記憶させておくことができるメモリーを6チャンネル装備。

さらに、ワンタッチで記憶周波数を優先的に呼び出せるCALLチャンネルが装備されています。
これらのメモリーはバックアップ電源で保持されていますので、いつでも呼び出すことができます。
またスキャンもメモリースキャンとプログラムスキャンのオートサーチ機能を装備。

◆大型LCDによる多表示と大型のマルチメーターを装備

移動運用時など直射日光下でも見やすい大型の多表示LCD(液晶パネル)を採用。
動作周波数のほか、VFOのAとB、M1〜M6のメモリーチャンネル、CALLチャンネル、スキャン、スプリットなど多表示のLCDパネルとなっています。
受信信号の強さ、送信出カレベルおよびバッテリーの消耗度が表示できる大型のマルチメーターを装備。
照明ランプも装備されていますので、夜間のポータブル運用でも視認性は良好です。

本機にはキャリーバックも付いておりました。

アイコムのIC-505のキャリーバック

アイコム IC-505の定格

一般仕様

周波数範囲50.0000〜53.9999MHz
使用条件温度範囲 動作温度 -10℃〜+50℃
使用時間 連続
周波数安定度±1KHz以内
空中線インピ−ダンス50Ω 不平衡
電源電圧DC13.8V ±20%
接地方式マイナス接地
消費電流受信 最大時     約300mA
送信 10W出力時   2.9A以下
3W出力時   0.9A以下
ローパワー時  0.6A以下
外形寸法230(W)×76(H)×188.5(D) mm
重 量約3.2kg(乾電池含む)

送信部

送信出力10W/3W/0.5W切換え
変調方式SSB 平衡変調
SSB発生方式フィルター方式
不要輻射強度-60dB以下
SSB不要側帯波抑圧比40dB以上
電鍵方式バイアス制御および吸収型
使用マイクロホンアンプ内蔵プッシュツートーク付マイク

受信部

受信方式SSB・CW シングルスーパーヘテロダイン
中間周波数SSB・CW 13.99MHz
受信感度SSB・CW -6dBμ(0.5μV)入力時S+N/N 10dB以上
スプリアス感度-60dB以下
選択度SSB・CW ±1.1KHz以上/6dB
+2.5,-2.7KHz以下/-60dB
スケルチ感度SSB 1μV
低周波出力電力1.5W以上(8Ω負荷 10%歪時)
低周波出力インピーダンス8Ω

全盛期にはあれほど各社の製品がありましたが、現在モノバンド機は西無線研究所のポケットサイズのSSBハンディトランシ-バ- NTS620しかありません。

もつとも最近のHF機にはほとんどもれなく50MHz帯が搭載されております。
        



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