商品価値のなくなった残念な無線機達
引き続き宅配買い取りした無線機類の整理をしております。
いずれも1970年代の古い無線機で、商品価値はほとんどありませんが、懐かしい無線機も混じっております。
現在のVFO方式と違って周波数を変えるには、水晶発振器(Xtal)を1個づつ切り替えて
行います。
一つの周波数ごとに送信用と受信用の2個の水晶発振器が必要になります。
無線機の購入時にはコストの関係で、僅かな周波数の水晶振動子しか実装されておりません。
あとは必要に応じて水晶振動子を購入する事になります。
当時は水晶振動子を作ってくれる所は沢山ありましたが、現在では随分少なくなってしまいました。
トリオ TR-7200GⅡ
TR-7200GⅡはトリオから1975年に発売されました。
TR-7200,TR-7200G,と受け継がれたシリーズの3代目で、最終モデルです。
私がはじめてクルマに積んだ無線機がTR-7200でした。
水晶式の24チャンネル仕様で、8チャンネルを実装しておりました。
ナロー、ワイドの切り替え方式になったのもこの頃です。
RITとセンターメーター機能も追加されております。
トリオ TR-8200
TR-8200は1974年にトリオから発売になりました。
TR-8200は431~433MHzの範囲が定格で受信部の第1IFが32.1MHzと大変特殊な周波数構成ですが、周波数の切り替えを原始的なシンセサイザー方式で、1つの水晶で受信・送信3cH増設できるように工夫されたものです。
当時は呼び出し周波数が現在の433MHzと違って432MHzでした。
当時の430MHz帯は今と違ってガラガラの状態でしたので、少ないチャンネルでも十分でした。(田舎では特に)
トリオ TR-2200G
TR-2200Gは1973年にトリオから発売になった、TR-2200の後継機種です。
最軽量のハンディ機と言われましたが、今のハンディ機とは比較にならないくらい大きくて、モービル機よりも大きいです。
単三電池内臓でAC100ボルトやDC13.8ボルトが無くても運用できるので、ハンディ機と呼ばれたのだと思います。
TR-2200はわずか6チャンネルでしたが、TR-2200Gは2倍の12チャンネルまで実装可能になりました。
周波数表示も改善され、TR-2200は1、3、5と番号表記でしたが、TR-2200Gは48、72、00と周波数の100KHz・10KHz台が大きく表示されるようになりました。
この頃に呼び出し周波数が144.48MHzから145MHzに変更になったと記憶しております。
マイクもトリオ汎用の4Pとなり、モービル機と互換性があり使い易くなりました。
アイコム IC-20
IC-20は1970年に井上電機製作所(現アイコム)から発売になった144MHz帯のFMモービル機です。
144MHzのモービル機で、トリオのTR-7100を意識したものと思われます。
水晶12チャンネルを実装出来、後継機種のIC-22及び50MHz機のIC-60、430MHz機のIC-30と同一デザインを採用しております。
前述のトリオの無線機を含めて、この時期は呼び出し周波数の変更がありました。
144MHz帯が144.48MHz➡145MHz
430MHz帯が432MHz➡433MHz
またFMの変調もワイドからナローへと変化しました。
まぁ今更この時期のリグを実際の交信で使う人はほとんどいないと思いますが、もし使う場合には注意が必要です。
今となってはほとんど需要の無くなった古い無線機たちをどう活用すべきか ?
悩ましいところです。
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