Belcomの430MHz SSB トランシーバーLiner Four Thirty

この記事は約5分で読めます。
Belcomの430MHz SSB トランシーバーLiner Four Thirty

汚れがひどいのには閉口しました

先日買い取りした古い無線機の点検と簡単なメンテナンスを行っています。
Belcomの430MHz SSB トランシーバーLiner Four Thirtyを取り出してきました。
さすがに古い機種なのでもともと正常に動作するとは思っていませんが、かなり汚れがひどいのには閉口しました。

Belcomの430MHz SSB トランシーバーLiner Four Thirtyの内部

日本電業株式会社とLiner Four Thirty

Belcomの430MHz SSB トランシーバーLiner Four Thirtyは1975年に日本電業株式会社が発売した世界で最初の430MHz帯のSSBトランシーバーです。
日本電業株式会社は輸出用のCB無線機等を製造販売していた会社で、KAPPA-15で1971年にアマチュア無線業界に進出しました。KAPPAの名称の由来はわかりませんが、いささかアマチュア無線機らしからぬ名称です。

 同社の発売したラインナップは他社とは少々異なっており、すべてモノバンダーです。
マルチバンダーは一台も出しておりません。

Liner Four Thirtyの主な仕様は周波数は430MHz帯が430.00MHz~430.48MHz、  432MHz帯が432.00MHz~432.48MHzの間を20KHzステップのチャンネルスィッチとVXOで連続カバーしております。
電波型式はA3J(USB,LSB),A1(CW)
終段にモトローラの2N5946使用して送信出力は10W

衛星(オスカー)通信が可能です
第一IFは50MHz帯、第2IFは7.8MHzのダブルスーパーヘテロダイン
外部VFOも使用可能寸法は67(高さ)X215(巾)X245(奥行)mmで今となってはかなり大型です。

Liner Four Thirtyの点検

電源を接続しスィッチオンも灯が入りません。
ヒューズを確かめるとヒューズホルダー自体がが壊れており交換して無事SW ON。
今度はパイロットランプが点灯しノイズが聞こえます。

固定のTS-790で送信すると受信はできます。
キャリアー周波数がずれておりますので、トリマーを調整。
横から調整棒を入れるので少しやりにくいです。
これで受信はとりあえずOKとなりました。

送信をしてみるもパワーメーターはまったく振れずTS-790でも受信できません。
送受のリレーの動作音は聞こえます。
ケースから取り出してマイクゲインのVRに指を触れるとハム音が聞こえます。
ファンクションジェネレーターから信号を入れてみるとOKです。

こうなるとあとはマイクが怪しいので、ピンコネクションを調べもせずに4Pのマイクを片っ端から繋いでみました。
トリオとプリモのマイクはダメで3番目のアイコムの4Pマイクがあっているようで、変調も掛かるようになりました。
あとはマイクの修理ですが、いまさら自分で使うわけでもなく時間がなくここまでとなりました。

たいした故障らしきところは現時点では確認できておりませんがまた時間がとれたらスペアナ、オシロスコープで調整と測定をします。


無線機の買取依頼は川花書房へ!