日本無線(JRC)は残念ながらアマチュア無線から完全撤退
日本無線(JRC)は2017年12月15日に民生用受信機NRD-545と、リニアアンプのJRL-2000F、JRL-3000Fの修理の受付を終了しました。
戦前に創業した業務用無線機のメーカーが、アマチュア無線業界に参入したのは1977年の事です。
それ以来JST-245に代表されるHF帯のトランシーバーや、NRD-505から始まったNRD-XXXシリーズの受信機をアマチュア無線家や、BCL,SWLを提供してくれましたが、2017年12月15日のすべてのアマチュア無線関係の修理の受付の終了をもって、アマチュア無線部門から完全に撤退しました。
BCL,SWLの憧れの的NRD-545
海岸局や船舶局向けの業務用無線機を製造してきた、無線機専業メーカーの日本無線(JRC)が作ったアマチュア用通信型受信機ですから、性能も世界トップレベルの高性能受信機です。
過去に当店も何台か扱ってきました。
愛好家の中には一人で何台も持っていることもあり、お一人から同時にに2台買取したこともありました。
あこがれの赤バッチが左上に燦然と輝いており、オークションでもけっこう高額で、落札され旅立っていきました。
オプション類の定価は
ワイドバンドコンバーターユニット
CHE-199 …………………………… ¥39,800
RS-232Cケーブル
6ZCJD00350………………………… ¥8,000
高安定水晶発振器(TCXO)
CGD-197 …………………………… ¥10,800
でしたたがワイドバンドユニットはプレミアがついて、オークションでも高額になっておりました。
BCLブームが去ったのか ?このところ落札価格は落ち着いてきています。
日本無線(JRC)のNRD-545はどんな無線機
1998年に発売されたNRD-545は受信可能な周波数は10KHz~30MHZでモードはAM/SSB/CW/RTTY/FMの受信機です。
IF以降の回路をDSPによってデジタル信号処理している事が、NRD-545の最大の特長です。
デジタル信号処理 (DSP:Digital Signal Processor)とは、信号の検出、加工、伝送、推定、あるいは発生などの処理をソフトウェアにより処理を行います。
アナログ信号処理回路に対してデジタル信号処理回路は、部品の精度が要求されません。
この事によって歪の少ない高品質な信号を再生することができます。
しかしマニアの一部には音質の悪さ、特にAM受信時にその点を指摘する声もありました。
混信/雑音除去機能も豊富でノッチフィルター、ノイズブランカ、ビートキャンセラー、
ノイズリダクション、デジタルIFフィルターの通過帯域幅を10Hz~9.99KHzまで連続可変できるBWC、可変範囲±2.3KHzのPBS、同期検波回路(ECSS)と多彩です。
その他にも十分すぎる1000chの大容量メモリーもありますが、使いにくいとの指摘もあります。
想定されるあらゆる受信状態に対処することができる高性能DSP受信機です。
本体だけでは受信可能な周波数は10KHz~30MHZですが、オプションのワイドバンドユニットCHE-199を付ける事によって、2000MHz(2GHz)まで拡張されます。
オプションには他にもCGD-197 高安定水晶キット(TCXO)があり、周波数の安定度を
±2PPMを±0.5PPMに改善する事ができます。
選択度は0.10kHzから9.9kHzまで0.10kHzごとに自由に設定することができます。
【定 格】
受信周波数範囲
0.1~29.9999MHz
受信電波形式
USB、LSB、CW、RTTY、AM、
FM(WFM オプションボード装着時)
周波数メモリー
1,000チャンネル
受信方式
トリプルスーパーヘテロダイン 影像妨害比
70dB以上
中間周波妨害比
70dB以上
寸法
330(W)x285(D)x130(H)mm
重量
約7.5kg
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